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動物たちの愉快な日常
童話

童話『ツブツブ村の餅の尽きない甕』〜第七章 村の災いが取り除かれる〜

さて、ラットは村に帰ると村中の人に触れて回りました、

「ツブツブ村の人たちよ、病気が治ることを願う人たちは皆広場に集まってください」。

そうして人々が集まると、ラットは言いました、

「パックがかつて皆さんに言ったのではないですか?『うれしいことがあったら一年に一度は山の向こうの船着場からそのことを紙に書いて、一握りの米と一緒に小舟に載せて川に流しなさい』と。皆さんが感謝しないことによって満たされない甕が今や村の収穫を飲み尽くし、さらには皆さんの腹まで飲み尽くして、皆さんに食べても食べても満たされない空腹をもたらしているのです。そこで皆さんはまず三日後に今までで最もうれしかったことを紙に書いて持ってきなさい。また、パックは餅が尽きないというその甕をここに持ってきてください」。

人々は皆それを聞いて心を撃たれて、めいめい家に帰っていきました。三日経って、人々は今までで最もうれしかったことを思い出して紙に記して持ってきました。その間にラットは薪(たきぎ)を広場に集めておきました。

さて、皆のうれしいことが書かれた紙が集められ、さらにパックが仙人から託された黒い甕、かつては金色に光り輝いていたが、今はくすんで呪いとなってしまった甕を運んでくると、ラットは手にしていた金槌を振り下ろしてその甕を粉々に砕き、薪に火を付けて皆の紙と一緒に灰になるまで燃やしてしまいました。何も知らないパックは叫んで言いました、

「あぁ、なんてことを!もう餅が増えなくなってしまうではないですか!」

ラットは言いました、

「パックよ、あなたが戒めに背いていろいろなものを混ぜたことでこの甕は呪いとなって、餅を食べた人々に病をもたらすようになったのです。あなたはまだそれを悟らないのですか?

さあ、皆さん、今私が皆さんの最高にうれしかったできごとを記した紙と共に甕と餅を焼き尽くして出た灰をすくって、きれいな水に溶かして飲んでください。そして身体中にできたできものにも灰を塗ってください。これによって皆さんの腹は満たされ、病は癒えることでしょう」。

人々は普段は温和なラットが権威あるように話すのを聞いて、恐る恐る灰をきれいな小川の水に溶かして飲み、身体中のできものにも塗りました。すると、たちまち皆の空腹は満たされ、できものが消えていきました。

それからラットは人々に言いました、

「皆残った灰を一握りずつすくって、山の向こうに行きましょう。そこの船着場からそれぞれ灰を川に流すのです。そして、これからはうれしいことがあれば覚えておいて、不満が出そうなときに思い出して感謝して生きていかなければなりません。私もそうしていくつもりです」。

人々は皆喜んでラットと共に山を越えて船着場に行き、灰を川に流しました。

それからというもの、ツブツブ村の人々はいつもラットが伝えた戒めどおりにうれしいことを覚えておき、つらいことがあるたびにそれらのことを思い出しては感謝して過ごしました。かつては収穫が少なかったツブツブ村ですが、その時からは毎年多くの収穫に恵まれて豊かに暮らし、絶えず感謝の言葉が飛び交う幸せな村になりました。

ABOUT ME
マシュー
自分の持っているものを使いたい。神様のために生きたい。それが小さな自分にもできる大きなこと。「この人生を後悔のないように生きるにはどうしたらよいのだろう」と、かすかにくすぶる火種のような、ささやくそよ風のような一人の地球の民。