CGM New Harmony Church

動物たちの愉快な日常

詩 〜機内食〜

帰国の便にて
久しく日本食を味わった。
初めに口にしたのは
わかめときゅうりの酢の物であった。
一口食べて、
思わず顔がほころぶ。
食事らしい食事を摂ったのは
八か月ぶりのことである。

二品目は蕎麦。
容器の麺つゆを全て入れ、
わさびを全て入れてかき混ぜる。
何の変哲もない蕎麦だが、
やはり口にすると
笑みがこぼれた。

あさりのだしの味噌汁もまた
たまらなくおいしい。

これほどにこやかに食事をした乗客は
百人余りの乗客のうちで
私以外にいないだろう。

異国における食物はといえば、
朝はココアにヨーグルト、
昼はシリアル、
あるいは礼拝日にはピザを食べ、
夜になればレタスサラダにジャガイモ、
タンパク質としての整形したチキンステーキか、
はたまた整形のペッパーステーキを食べ、
ドリンクとして牛乳を飲んでいた。

「死んでいる者は
自らが死んでいることに気付かない」。
日々繰り返される同じ食事、
いつしか感覚が死んでいたのだな。

トレイにはホワイトブレッドがあり、
フルーツはキウイにオレンジ、
グレープフルーツであった。
ややもすれば
バニラアイスまで支給された。

パンを裂き、
バニラアイスをナイフで削って挟んで食べる。
いかにも上品な食式であり、
これはさながらシューアイスであった。
フルーツにもやはりアイスを載せてたいらげる。
それはまた品のあるデザートであった。
他の人は皆パンをパンとして、
フルーツをフルーツとして、
アイスをアイスとして食べただろう。
神の知恵を受けた人は特別なのだ。
百人余りの乗客のうち、
誰か私のような構想を受けて食べた者が他にいるだろうか。
聖霊も言われる、
「いるはずがない。
確認するまでもない」。

神は食事を楽しみとしなかった私をも
食をもって満たされる。
神はご自身を愛する者を
あらゆるもので恵まれる。

ABOUT ME
マシュー
自分の持っているものを使いたい。神様のために生きたい。それが小さな自分にもできる大きなこと。「この人生を後悔のないように生きるにはどうしたらよいのだろう」と、かすかにくすぶる火種のような、ささやくそよ風のような一人の地球の民。