CGM New Harmony Church

動物たちの愉快な日常
日常

前進

延長戦に入り、
既に互いに疲弊して勢いはない。
互いに組んでいた体が離れると、
一方は天を見上げた。
そしてもう一方には審判から警告が入った。

再び合図が下る。
警告を受けた者が進み出る。
その視線は、
ひたすら前だけを見ていた。
相手をつかみ、
突き離されて、
また組んで、
相手を打ち倒しに掛かるも、
相手もまた世界の頂上に登ってきた者であって、
必死に抵抗して危機を逃れた。

勝負はなかなかつかなかった。
それでも彼は前進し、
合図と共に離れるや、
相手を追うかのように即座に詰め寄り、
相手の道着をつかみに行くのであった。

時に従って離れても、
自らの乱れた道着を直すこともなく、
ただ相手だけを見据えて再び迫っていった。

相手はもはや組んでも後退するばかりであった。
その圧倒的な重圧から逃れようとしたのだろうか。
しかしその四角く区切られた舞台は狭く、
隅に押し込まれていった。

その恐ろしいほどの強靭な精神の前に
もはや勝負は決していたのだ。
彼は完全な強者であった。
その敗れた者はその強者に飲まれたのである。

程なくして一瞬で勝敗はついた。
倒れた相手は仰向けのまましばし天を見ていた。
勝利した者も特別な仕草をするわけではなかった。

「最後までやる者が勝利する」。
そう言われた主の姿が彼に重なるようであった。
神はこの事を悟らせようと、
今日のこの試合を私に目撃させたのだ。

ある事は相手の求める水準に達していない。
ある事は相手の求めているものと相容れない。
しかし御心は何なのか。
私が受けるべきものがあり、
他人が受けるべきものがある。
私が成すべきことはその道では成されないというだけである。
私に与えられた道に行き、
その果てで遂にはその目的を成し遂げる。
それが勝利であり、
栄光である。
それだから今日も前進しなければならない。
涙ぐましい過程を経ながらも、
いつしか訪れる機会をつかみ、
大きな歴史を成していくのだ。

ABOUT ME
マシュー
自分の持っているものを使いたい。神様のために生きたい。それが小さな自分にもできる大きなこと。「この人生を後悔のないように生きるにはどうしたらよいのだろう」と、かすかにくすぶる火種のような、ささやくそよ風のような一人の地球の民。